コンクリート構造物などをできるだけ減らし、緑量の多い複層的な植栽にできるか(埼玉県越谷市)

2023-08-31

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新築で自分で決められる段階なら

こんにちは。
人にも環境にも優しい【雑木の緑に包まれる 気持ちイイ自然な庭】つくる、ガーデンハーモニーの箕輪直明です。

現実問題として、
コンクリートやアスファルト舗装・タイルやレンガ張り・建物の外壁など人工構造物が、周囲の気温を上げて、湿度の乱高下を起こし(高温晴天時は極端な乾燥状態)、植物に対して ものすごく激しいダメージを与えている...と、あらためて思い知らされた話。

緑に包まれる雑木の庭にしたい!
というあなたの家が新築で、もし「これから自分で決められる」段階であるなら、コンクリート構造物やタイル・レンガ張り・人工芝といったものを、どれだけ減らせるか!?よく考えて下さい。

コンクリート構造物などのすぐ近くに、単独で雑木系の樹種を植えるようなことをしたら、その木がどれだけ激しいダメージを受けるのか!?よく想像して下さい。そして、緑量の多い複層的な植栽にできるかがポイント。

あえて「これから自分で決められる段階なら」と書いた理由は、最後まで読んで下さると分かるはずです。

お手入れ講習会&作戦タイム

先週の移動中、冬に工事があったお客さんの庭をちょっとだけ訪問したら、植物たちが猛暑で激しいダメージを受けて苦しんでいました。
すぐにお客さんと話し合い、今日『お庭の家庭教師』を開催し、今後の管理(手入れ)について講習を行いました。

『お庭の家庭教師』は、お客さんと一緒に作業しながら進める 実践型の講習制度です。

雑木の庭など緑量の多い庭では、こちらで定期的な管理(手入れ)まで行いますが、日々の手入れについては、この制度を利用して頂き 講習をおこなっています。また、こちらが管理(手入れ)に入らないくらいの小さな庭の場合も、この制度を利用して頂き、一緒に作業しながら講習式にお客さんをサポートしています。

この緑量では猛暑に負けてしまう

いくら異常な猛暑が続いている...とはいっても、葉の色素が抜けて葉色が悪く痛々しいです。雑木といわれる しっとり落ち着いた雰囲気をもつ樹種の場合、アスファルトの道路やコンクリートの駐車場からの照り返しが、もろに激しいダメージにつながります。

普通の業者さんであったら「木を植える」という発想にはならない 小サイズ(奥行1mくらい)の庭に、大きめサイズの木3本など23種の植物が植えられていますが・・・それでも足りなかったですね(涙)

アスファルト舗装の道路、元からあったコンクリートの駐車場、玄関のタイル張り、建物の外壁に囲まれたこの庭・・・この緑量(植物の量)ですと、それらからの照り返しに負けてしまいます。

実用面(動線確保・道路からの視線を遮るなど)を満たしながら、小さな家庭菜園スペースなど お客さんのご希望も叶えて・・・ぎりぎりの線。
もっと緑量(植物の量)を増やして 複層的な植栽にして、周囲の人工的な環境に負けない庭にしたかったのですが、やむを得ない事情というのもあります(次の項)。

元々は全面コンクリートでした

まず これが工事前の様子。
元々は、ほぼ全部がコンクリート(家が建つ前からあったコンクリート駐車場です)で、土が見えていたのは0.5m×3.0mの範囲だけだったのです。

駐車場のスペースを確保しながら、コンクリートの一部を解体しました。

現在 木製の門柱や木がある辺りも、全てコンクリートに覆われていました。

ウッドフェンスや木製の門柱などが出来上がり、土の環境改善や植栽作業に入る前の状態。このわずかなスペース(土が見える範囲)が対象です。

コンクリートやその下の基礎砕石に押しつぶされていた土は呼吸できていませんから、通常の庭以上に 土の環境改善を重点的に行いました。
コンクリートに押しつぶされ続けてきた地表部、区画整理時の盛り土に押しつぶされ続けてきた60cmより深い部分・・・この庭の苦しい土の歴史が分かります。

押しつぶされて呼吸できていなかった土は、掘り上げると こんな貧酸素状態です。これでは木が健康に育つことはあり得ないので、土の環境改善がかなり重要になります。

ちなみに、現在の都市住宅地の土の中の環境は、コンクリートに押しつぶされていなくても、こういった貧酸素状態になっていることが ほとんどです(ここでは詳しい説明は割愛します)。

これが現在(初めの写真と同じです)

工事前から順々に見て頂くと、道路や駐車場のコンクリートからの照り返しを完全に遮ることができなかった理由・・・お分かり頂けましたよね。

新築で「これから自由に決められる段階」であれば、駐車場の仕様を変えたり、駐車場のゾーニングを変えたり・・・もう少し修正できるのですが、既に建物が建ち、元からのコンクリートの駐車場もある状態ですと、コスト面などネックになり 今回のようにコンクリートの一部解体くらいが限界になります。

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もし あなたの家が新築で「自分で決められる段階」であるなら、コンクリート構造物やタイル・レンガ張り・人工芝といったものを、どれだけ減らせるか!?よく考えて下さい。
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冒頭に書いたこと、ご理解いただけたと思います。

土の環境改善・照り返し対策

救われたことは、土の環境改善をしっかりやってから植栽をしたので、雑木系の木についても 枝先まで生気があったこと。つまり、水や空気の流れが「土~根~木の中心部~枝先~空気中」でつながっている・・・ということです。

コンクリートを一部解体し、土の環境改善作業をしっかり行うことで、押しつぶされて貧酸素状態だった庭の土でも 呼吸を再開する・・・木々の根が伸びていける土の環境になるのです。

おそらく、土の環境改善をしっかりやっていなければ、この猛暑と照り返しダメージで、いくつかの木は枯れていたと予想しています。


足りなかったのは、周囲の舗装からの照り返しを遮る対策。

照り返し対策に 植栽時に株元を入念にケアしたのですが、その上(大人の腰丈~背丈くらい)の照り返しダメージが目立っていました。
低木など使って もう少し複層的な植栽になるよう改善して、お客さんには その手入れの方法をしっかり講習して、来夏に備えます。

お客さんにも説明して終了。
酷暑のなか、お疲れ様でした!


↑ この投稿はここまで ↑
 

私が「環境に配慮した庭」をつくる理由

日本はもちろん、世界中のどこであっても、気候変動による異常気象(猛暑や豪雨など)が猛威をふるい、日々どこかで甚大な災害が起きています。

お子さんやお孫さんの世代から
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あなた達 大人は、なぜ、知っていながら
何もせず、こんな荒れ果てた地球を残したのですか?
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と、問い責められた時
あなたは何と答えますか?

私たち大人は、彼らに何を残すのか?
その問いに対する私の答えが「環境に配慮した庭」です。

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1,小手先の地球温暖化対策ではなく、緑量を増やすことに真正面から取り組みます。

2,地表面を固めて 見える部分だけを飾る「見た目の庭」ではなく、見えない土の中から環境改善し、地下深くから地上部まで水と空気がスムーズに動く庭をつくります。

3,その結果、雑木を使った自然な植栽が健康に育ち、人間にとっても過ごしやすい心地よい空間になり、周囲や地球規模の環境に負担をかけない(例:都市型水害を起こさない、ヒートアイランド現象を抑制する、など)・・・そんな、人にも環境にも優しい庭をつくります。
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異常気象による災害は人災です。
ですから、庭と環境を専門にしてきた私は、自分がつくる庭でその問題に取り組みます。

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環境再生医·上級 / 雑木を使った自然植栽と国産の天然木材で「緑に包まれる環境に配慮した庭」をつくる、ガーデンハーモニー株式会社の箕輪直明です。雑木の自然な植栽が健康に育つ庭は、人間にとっても過ごしやすく心地よい庭であり、環境への負担が小さい・・・優しく穏やかな庭になります。見えない土の中の環境から改善し、水と空気がスムーズに動く気持ちイイ庭をつくります。

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