環境問題への日本人らしいアプローチ(大嘗祭に際して改めて思ったこと)

2019-11-15

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日本人の根っこにある自然観

こんにちは。天然木と自然植栽を使った『家族で環境について話せる庭』のプロアドバイザー 箕輪直明です。

どこにでも神様がいる。山にも、海にも、川にも、森にも、石ころにも・・・そこら中に神様がいる。それで、その神様たちに「いつもありがとう!」「今年もありがと!」「どうも~!」「来年もお願いしま~す!」といった感じに、「頂く(収穫・収獲など)」たびに声をかける。これが日本人の根っこにある自然観。そこに「God」みたいな強大な神様はいなくて、神様と近い。自分達で気づいていないけど、そういった自然観があって日本人は自然に入り込んでいたから、いつの間にか日本は存在そのものが「自然環境に根差した国」になっていたはず。高度経済成長の前までは。

※感じ方が違うと思いますので、細かいツッコミはしないでね!


大嘗祭って

https://www.saga-s.co.jp/articles/-/435863

大嘗祭って聞いて「おっ!」と構えがちですが、毎年やっている新嘗祭(にいなめさい)のうち、天皇が即位後1回目だけ「大嘗祭」と言うんだそうです。じゃあ「新嘗祭」って?というと、「天皇陛下が、様々な実りを神々にお供えになって感謝する行事」。つまり、実りの秋、神様たちに「今年もありがとう!来年もよろしくお願いします!」と伝える行事、ということですね。
私が「神様と近い」と感じたのは、天皇陛下が神饌(≒お供え物)を1品1品箸で柏の葉で出来た皿にとって、神様にあげる場面。ははっーってひれ伏している感じはしませんでした。

自然に出来上がっているシステム

川や水田やため池があれば、底からも側面からも少しずつ水がしみ出す。その地下水が何十年、何百年もかけてじわじわ流れていく。崖があれば、その下では湧水を採水できて、その上では木の育ちが良く収穫もあった。落ち葉の堆積は「無駄」なようで、自然と分解されて土に還っていくものがあり、それがあることで河川や海では漁獲量が増える。そういう「自然に出来上がっている」環境を守るシステムがあって、その中に日本人は入り込んでいました。自然と対極にいるのではなく、自然のシステムに入り込んでいたのが日本人です。

人間生活との共存バランス

でも、人間が文明生活していくとなると、100%「自然に出来上がったシステム」に任せておくことはできない。まあ、そうでしょう。でもここで問題が発生します。どこかから入ってきた「完璧に抑え込む」思想で人間の生活を守ろうとすると、今まで気がつかないうちに機能していた「自然に出来上がったシステム」が機能しなくなるんです。

冷静に考えれば「当たり前」

冷静に考えれば当たり前のこと。川でコンクリート護岸工事をすれば、その「岸という局所」は護られますが、本来その範囲でじわじわしみ出していた水が、その場所でしみ出ることができず下流に流されますので、下流では少しの雨で洪水になる。整備された水田が残っていれば、雨水を貯めて地下水の涵養もあるので、雨が降ってもすぐには下流に水は流れない。敷地内も道路もみんな同じ。でも、これを全部パイプで集水して川にドバドバっと流しているんですから、そりゃ洪水になりますよ。

地球規模の温暖化

こればかりは日本だけの問題じゃないですし、インパクトがデカ過ぎる。となると、やっぱり新しい科学的な技術で「抑えて守る」ことも必要でしょう。でも、その「抑えて守る」を進め過ぎて、古くからの「自然に出来上がったシステム」を捨てたら、本末転倒になる。なぜなら、自然を100%抑え込むのは不可能だからです。自然に100%は通用しない。10mの堤防をつくれば、数年後には11mに相当する雨水が流れる。何度も見てきているじゃないですか!

ちょうど良い「点」を

科学技術で「抑え込む」ことと、古くからの「自然に出来上がったシステム」をどうバランスをとるのか・・・日本人は試されていると思います。大嘗祭に際して改めて、「日本人は神様と近くにいる」つまり「自然の中にいる」ことを強く感じました。これは外国からくる「自然と人間は対極に存在する」という思想とは真逆です。でも、その思想(自然観)で日本人は今まで、上手に環境(環境問題)をコントロールしてきました。これを全て捨てちゃうのはもったいないですし、これを海外に輸出するくらいでいい。日本人が日本人らしく、技術ではなく思想や自然に即した全体のシステムで、本気になって環境問題に向き合えば、数十年後、世界をリードする国になっていると思います。

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環境再生医·上級 / 雑木を使った自然植栽と国産の天然木材で「緑に包まれる環境に配慮した庭」をつくる、ガーデンハーモニー株式会社の箕輪直明です。雑木の自然な植栽が健康に育つ庭は、人間にとっても過ごしやすく心地よい庭であり、環境への負担が小さい・・・優しく穏やかな庭になります。見えない土の中の環境から改善し、水と空気がスムーズに動く気持ちイイ庭をつくります。

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