自然な植栽についていろいろ
こんにちは。国産天然の木材と環境に合った植物で、環境に配慮した庭をつくっています。『家族で環境について話せる庭』 ガーデンハーモニーの箕輪直明です。普段はあまり 工事直後のピカピカ写真は載せません(天然木と自然な植栽の庭・外構は、「時間」によって味わい深く仕上げられるので・・・)が、今日は珍しく、工事直後の写真。
小さなスペースで分かりやすいと思ったので、「何を考えて植栽しているのか?」・・・等、植栽に絞っていろいろ書いてみます。
植物のお手入れ講習
工事が終わって1週間後、「植物のお手入れ講習」で伺いました。
植栽直後の注意、日々の手入れ、季節ごとの作業、予想されるトラブル、トラブル対処方法、剪定の考え方、剪定の分類・具体的な方法・・・などプチ講習です。
プチ講習といっても、本やインターネットにも載っていない、お店でも聞けない、独自の役立つ情報がいっぱいです。ガーデニング関連の本にしたら、1冊にまとまらないくらい・・・そのくらいの情報がギュッと詰まったオリジナル講習です。アレンジ植栽をした現場のお客さんには、必ず受講してもらいます。
ガーデンハーモニーのお客さん以外では、『お庭の家庭教師』の受講で、そのエッセンスの一部を体験することが可能です。
季節を感じる自然な植栽
初回、顔合わせ時のお客さんのご希望は
「自分達でいろいろ植えてきたのですが、うまくいかず困っていました。こんな狭い場所ですが、季節を感じる自然な雰囲気になったら嬉しいのですが・・・」というもの。
困っていた場所の問題を解決する!季節感!自然な雰囲気!・・・ガーデンハーモニーが得意とするところです。
土間コンクリートに囲まれた過酷な場所
しかし、その前に
この現場の根本的な問題は、この植栽スペース(2.3m×1.5m)が土間コンクリートに囲まれていること。やむを得ないですよね(^^) 植物や地中環境のことは不得意な外構業者さんだったのでしょう。私が外構プランをつくる場合は、こういう過酷な植栽スペースはつくりませんが、皆さんが「良かれ」と思って仕事しているわけですから、批判は無しです。
混み合った住宅地の中(周囲の住宅も、ほとんどの家の庭が舗装されています)で、敷地内では、土間コンクリートに囲まれてます。
地上部は、土間コンクリート・前面道路・建物などからの照り返しが強く、植物にとっては(=人間にとっても)かなり過酷。
地中では、転圧された圧密状態(締め固まった状態)の土に囲まれ、空気と水が滞っていますので、植物の根は呼吸ができません。
実際に、この植栽スペースの工事前は、建物側が極度に乾燥しているのに、道路側には水が溜まる・・・という状態でした。そんな前提があってのスタートです。
話が難しく長くなってしまうので、詳細は省略しますが、まずは地中環境の改善工事を行いました。土の深い場所、見えないところですが、この工事によって、地中の水や空気の流れは、だいぶ改善されたはずです。照り返しへの耐性も、幾分は解消されます。
以前の投稿で書いています『厳しい場所に植栽する前の手術。地中の環境改善と植栽計画しだいでは・・・(埼玉県伊奈町)』
植栽の評価は「まずは3年後」
植栽工事が終了した直後の写真。植栽を強いて評価するなら、「まずは3年後」と考えています。もちろん その後が大事なのですが、「まずは3年後」です。
私が考える、ここの現場の目標は・・・
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◎3年後に、「季節の移ろいを感じて なごむな~!植物に触れるのが好きになったな~!」と感じてもらえれば OK◎
◎夏、窓から入る風を少し涼しく感じて、エアコンの温度設定を1℃緩めることができれば OK◎
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18種類の植物でつくった新たな環境が 狙い通りに機能して、お客さんのお好みを聞いて選んだ植物が、"らしい" 魅力を発揮してほしいですね。
もう少し植物の種類を多くして、多様な植栽にしたい気持ちもありましたが、照り返しに耐えることと、ガーデニング初心者のお客さんがお手入れできるということを考慮して、このくらいになりました。
何を考えて植栽しているのか?
「何を考えて植栽しているのか?」
お客さんはもちろん、同業の知人とか、いろんな人からよく聞かれます。
シンプルな小さい現場で分かりやすいので、この現場を例に「私の頭の中にあったこと」を、ほんの一部だけカンタンに箇条書きしてみます。
難しくなるので、見えない部分(地中環境など)は抜いて、10項目に絞って箇条書きです。
1,中央の大きい木より道路側は、とにかく強い植物(照り返しに耐える・・という意味での強さ)を優先する。
2,道路側の30cmの帯は、車のドアの開け閉めを考慮して、植物のサイズに注意する。
3,車の進入時に目安となる(=触っても車に傷がつかない柔らかい植物)を配す。
4,「強い植物」という基準だけになると、面白みのない植栽になる(=季節感からは遠ざかる)ので、中央の大きい木より建物側は 3年後には穏やかな半日陰になるように、環境を意図的につくる植物配置。
5,季節感(お客さんのご希望)を出すために、花期の引き継ぎに注意。(この環境に耐える植物であること)
6,季節感(お客さんのご希望)を出すために、晩秋の葉の色づき(紅葉)を取り入れる。ただし、関東の平地では高木に紅葉は期待できないので、他の植物にその役割を与える。(この環境に耐える植物であること)
7,この過酷な環境で枯死する植物を2割と想定し、2割減になった時も「気にならない」見栄えをキープできるように。
8,各ゾーンで、評価の目安とする3年後の環境に「最もフィットする植物」であり、かつ、その年までその場所で耐えることができる植物。
9,この植栽に則したお手入れの方法を、「植栽後のお手入れ講習」でお客さんに説明できるレベルを超えないように。この難易度は、お客さんの生活スタイル等々によって調整します。「ガーデニング経験が少なく、共働きで家にいる時間が少ない方」と「ガーデニングが趣味であり、毎日でも庭作業したい方」では、求めるお手入れに差が出ます。
10,以上を満たしたうえで、出来る限りお客さんのお好み(色・花や葉の雰囲気など)をかなえつつ、多様で安定した環境になるよう多様な植物を選ぶ。
簡単に箇条書きしちゃいましたが、植栽に悩んでいる"あなた"の参考になったら、嬉しいです。
私が「環境に配慮した庭」をつくる理由
日本はもちろん、世界中のどこであっても、気候変動による異常気象(猛暑や豪雨など)が猛威をふるい、日々どこかで甚大な災害が起きています。愛するお子さんやお孫さんに
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あなた達 大人は、なぜ、知っていながら
何もせず、こんな荒れ果てた地球を残したのですか?
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と、問い責められた時
あなたは何と答えますか?
私たち大人は、彼らに何を残すのか?
その問いに対する私の答えが「環境に配慮した庭」です。
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1,小手先の地球温暖化対策ではなく、緑量を増やすことに真正面から取り組みます。
2,地表面を固めて 見える部分だけを飾る「見た目の庭」ではなく、見えない土の中から環境改善し、地下深くから地上部まで水と空気がスムーズに動く庭をつくります。
3,その結果、雑木を使った自然な植栽が健康に育ち、人間にとっても過ごしやすい心地よい空間になり、周囲や地球規模の環境に負担をかけない(例:都市型水害を起こさない、ヒートアイランド現象を抑制する、など)・・・そんな、人にも環境にも優しい庭をつくります。
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異常気象による災害は人災です。
ですから、庭と環境を専門にしてきた私は、自分がつくる庭でその問題に取り組みます。
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